債権譲渡担保・動産譲渡担保

近年、不動産や個人保証に依存しない信金調達の方法として、債権の流動化や企業が保有する在庫や機械設備等の動産を担保とする方法が注目されています。

そして、こうした方法の活用に資する制度として債権譲渡登記・動産譲渡登記の制度が創設され、利用されるようになってきました。

まだ新しい制度である債権譲渡登記・動産譲渡登記の申請をお考えの際には、是非とも登記の専門家である司法書士にご相談下さい。

債権譲渡登記とは

金銭債権の譲渡や金銭債権を目的とする質権の設定を第三者に対抗するためには、原則として確定日付のある証書によって債務者に対する通知を行うか、債務者の承諾を得なければなりませんが(民法467条2項)、法人が売掛債権等の金銭債権を譲渡した場合や金銭債権に質権を設定した場合には、債権譲渡の登記をすれば、そのことを第三者に対抗することができます。

また、将来発生する債権を含む多数の債権を譲渡する場合や集合債権に譲渡担保を設定する場合、民法の規定による対抗要件を備えることは現実的ではありませんが、債権譲渡登記の制度を利用することにより、簡便に第三者対抗要件を備えることが可能となります。

(なお、債務者に対する対抗要件の具備には登記事項証明書の交付を受け債務者に通知する必要があります。)

動産譲渡登記とは

動産譲渡登記制度は、動産の譲渡を登記することによって、民法上の第三者対抗要件である引渡しと同等の効力を具備することを認める制度です。

企業が動産を譲渡担保に供して金融機関から融資を受ける場合や、動産を流動化・証券化目的で譲渡し、譲渡代金として資金を取得する場合においては、譲渡後も動産自体は譲渡人の直接占有下に置かれたままなのが通常です。

このような場合の第三者対抗要件として、占有改定(民法183条)という外形的には判然としない公示方法のみでは、後日、占有改定の有無・先後をめぐって紛争を生じるリスクがありますが、動産登記制度を利用することによって、公示性に優れた登記によって第三者対抗要件を備えることになるので、紛争の発生リスクを軽減させることができるでしょう。

登記の申請

債権譲渡登記・動産譲渡登記の申請は、申請書を作成し登記すべき事項を記録した磁気ディスクを東京法務局に提出する方法により行います。

提出方法には、出頭申請、郵送申請、オンラインによる申請があります。

ABL(Asset Based Lending: アセットベーストレンディング)

ABLは企業の流動資産(売掛債権、集合動産、在庫等)を担保とする融資手法で、企業の事業に基づいた資産価値を見極めて行われるものです。

不動産や個人保証に過度に依存しない手法として主に中小企業の新たな資金調達手段として注目されています。

アメリカで発展した手法ですが、近年、日本の金融機関でもこの手法が採用され始めています。

債権譲渡・動産譲渡登記はABLを促進する制度ということができるでしょう。